藍色煉瓦の歪な洋館、インディゴ・マイヤーズ・ホテル。
オーナーであるマイヤーズ夫妻の養女として育てられたエマは、その風変わりなホテルでメイドとして働いていた。
数年前、夫の死をきっかけに経営が傾き始めたホテルを、妻のテス=マイヤーズは閉館しようと考えていた。
唯一の居場所が失われることにショックを隠せないエマ。物憂げにロビーの天井を眺めていると、シャンデリアが星空のように光を放ち、美しい歌声がホテル中に響き渡った。
その夜を境に〝星の降るホテル〟として噂が広まったインディゴ。古くからマイヤーズ家と交流のあった実業家・フィルの協力もあり、徐々に人気を取り戻していく。
今宵は、宿泊客を招いて開かれる初のパーティー。時が来ると、いつものように星空へと姿を変えるシャンデリアに声をあげる宿泊客だったが、違和感を唱える者が…。
夢と現実の境界線は失われ、夥しい声とともに姿を現す藍色の亡霊たち。
亡霊たちを追ったその先に広がっていたのは、まるで高熱に魘されながら見た“悪夢“のような光景だった。
クチコミ
0